インド最大のオンラインストアFlipkartは地方都市から多くの新規顧客を獲得
インド最大のオンラインストアFlipkartは、人口100,000人以下の地域でモバイルWeb総ユーザー数の1/3、総購入価格の60%を占めるサービスです。
2015年後半、Flipkartでは少数のエンジニアがPWA(Progressive Web Apps)版プロトタイプの開発に着手しました。今ではこのPWA版がFlipkartのデジタルサービス中で、アンドロイド版アプリに続いて2番目に大きい売上のチャンネルとなっています。
PWAは、通常のWebページだが簡単に見つけもらうことができ、ホーム画面へ追加・ブラウザ通知・シングルサインオンといった機能でアプリのように動作させることができます。
そして何より、PWA版のFlipkartアプリのダウンロードサイズは約100KBです。これはAndroid版アプリの1/100のサイズ、iOSアプリの1/300のサイズとなっており、再訪問時には通信料が約10KBまで抑えられます。
ネットワーク速度が遅く、ストレージが少ないスマートフォンを使っている率が多い地方都市でも、大容量のアプリをダウンロードすることなく潜在的な顧客にアプローチできます。
Flipkart エンジニアリング担当副社長は以下のように言っています。
「PWAはとても少ない容量で動作できるため、3Gのような低速ネットワーク、ローエンドのスマートフォンでも1秒以内にページを表示できるようになりました。 PWA版Flipkartを訪れたユーザーの60%が、デバイスのストレージ不足でネイティブアプリ版をアンインストールしています。」 -Amar Nagaram(Flipkart エンジニアリング担当副社長)
Flipkartは、人口100,000人以下の地域で、モバイルWeb総ユーザー数の1/3、総購入価格の60%を占めるサービスとなっています。そして、この地域の新規顧客の50%はモバイル経由なのです。
そのため、Flipkartは、2015年4月にモバイル版サイトを閉鎖し、7月にGoogle Chrome上で動くPWA版Flipkart Liteの開発を着手し始めました。
UXとグロース担当も以下のように解説しています。
「初期のFlipkartはカスタマーにとって使い勝手の良いものではありませんでした。 インドでインターネットの普及が進み、モバイルでより良いユーザー体験を構築する必要がありました。 ネイティブアプリ版はすでに良い結果を出していましたが、PWAで同等の結果を出せるかが問題でしたが、 FlipkartにとってPWAに求めることは単純で実現できました。目的は、シームレスな体験を提供することだからです。 最初はChromeだけのサポートでしたが、他のブラウザにもサポートしたいと考えています。」 -Arindam Mukherjee(Flipkart 製品のUXとグロース担当)
PWAへのチャレンジも続く
続けて、エンジニアリング担当副社長はPWAへ期待とチャレンジをしています。
「私たちの開発理念は常に変化しています。 チームをAndroid、iOS、Webといったプラットフォームごとに分断せず、1つのコアチームがすべてを統括するようにしています。 ネイティブアプリにある機能をWeb版でも実現させるためです。今はオフラインで買い物をして支払いまでできるかどうかを試しています。」 -Amar Nagaram(Flipkart エンジニアリング担当副社長)
一早い経験と実績がビジネスで役立つ
「Ola、Zoomcar、MyntraといったインドのWebサービスをPWA化するのもお手伝いしています。 Myntraのパフォーマンスを最適化し、Olaの低消費電力ブラウザ用バージョンの制作も請け負いました。」 -Amar Nagaram(Flipkart エンジニアリング担当副社長)
旅行代理店GoibiboやeコマースプラットフォームSnapdealもPWA版があり、すべての新機能はネイティブアプリとほぼ同時にリリースされています。